リンパ浮腫になっていちばん注意したい病気が「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」。
蜂窩織炎とはなんぞや?
ここでは蜂窩織炎について書いていきます。

​蜂窩織炎とはなんぞや?

蜂窩織炎(ほうかしきえん)とは、皮膚の深いところで起きる細菌感染症、いわゆる皮膚炎です。
皮膚表面で起きる皮膚炎と異なり、皮下組織と呼ばれる皮膚の奥深いところで生じるため重症化しやすく、治療も抗菌薬が必要になったりします。


蜂窩織炎の症状

  • 寒気による震え
  • 体全体のだるさ
  • 38度以上の発熱
  • 頭痛や吐き気
  • 関節の痛み
  • 感染した部位の赤い腫れ

​風邪とよく似た症状が出て判断がつきにくいところが厄介なところです。必ずしもすべての症状が出るわけではないようですが、この中のいくつかの症状にあてはまるなら蜂窩織炎を疑ったほうがよさそうです。

リンパ浮腫と蜂窩織炎

リンパ浮腫の人は感染するリスクが高いそうですよ。むくみに溜まってるリンパ液には、ばい菌の栄養となるタンパク質がたくさん含まれていて、そこでばい菌が増えてしまうと炎症が起こりやすくなってしまうのです。

乾燥したお肌

​ばい菌が体内に入る経路は、

・擦り傷や切り傷などの外傷
・毛穴や汗腺
・日焼けや火傷によって皮膚に傷がついたところ
・乾燥した肌表面

などなど。。。

こんな状態のところに、
・共同浴場(銭湯や温泉)や、残り湯での入浴
・虫刺され
・土いじり
・白癬症(いわゆる水虫ね)
・海水浴
など、ばい菌を取り込むことがあれば感染のリスクは高まります。

正直言ってこんなの気のつけようがないよね。虫に「刺すな あっちいけ」って言って聞いてくれるわけないし(通じたらそれはそれで怖いもんがある)。
土いじりや海水浴はやめようと思えばやめられる。温泉もまあ、良しとしようか。温泉が好きじゃない人もいるはずだし。
でも、入浴は避けて通れぬ毎日のこと。
リンパ浮腫って圧倒的に女性が多いでしょ。家族が入った後の残り湯で入浴することが多くありませんか? ゴハンの後片付けをしてるあいだに家族をお風呂入らせて、最後にゆっくり。。。ていうパターン? 家族構成や日常のサイクルで、どうしても最後のお湯になるのは仕方がないですよね。せめて、お湯から上がる時に綺麗なお湯シャワーで雑菌を流してから上がりましょ。それだけでもずいぶん違うと思いますよ。

蜂窩織炎を防ぐには?

・乾燥を防ぐ
・清潔にする
・傷を作らない
・疲れをため込まない

リンパ浮腫になると、肌表面が乾燥しやすくなります。肌を清潔にしてしっかり保湿をする。これだけでばい菌が肌の奥に入り込もうとするのを防ぐことができます。

乾燥肌はばい菌入り放題

水分が少なくて乾燥しているお肌は、細胞がむき出しになってる状態。紫外線やばい菌が入り放題の状態なんです。
肌に水分がたっぷりとある状態では、細胞が周りの水分に守られていて、紫外線やばい菌の侵入を抑えることができます。
(これ、お顔のお肌も同じですよ。紫外線はシミやシワの原因になるんです!)




肌に傷がある状態でも同じことが言えます。細胞がむき出し状態になっているので、そこからばい菌が侵入してしまうんです。
虫に刺された時は搔きむしらず、刺されたところを保護してください。かきむしって肌に傷ができてしまったら、そこからばい菌が入ってしまします。nokiaは痒みを止めて肌も守ってくれる「貼るタイプの虫刺され薬」を使っています。お化粧ポーチの中に入れておくといざという時にも心強いですよ。

疲れを溜めない、というのも大事。疲れが溜まってくると体力が落ちて免疫力も落ちてきます。そんな時に炎症が起きてしまうと、体が炎症に耐えきれなくて重症化してしまうことがあります。
「疲れた」と感じたらすでに体は疲れてしまっています。日常の生活をしているとなかなか難しいですが、こまめに休憩して疲れを溜めないようにしたいですね。

もしも蜂窩織炎になってしまったら

気をつけていてもなるときゃなるのが病気というもの。
もしも蜂窩織炎になってしまったら、何科で受診しましょうか。発熱や頭痛、吐き気があったりするので、内科に受診したくなるかもしれません。
でもちょっと待って! 
リンパ浮腫を発症している腕や足の皮膚表面が熱っぽくありませんか?
そんな時は、皮膚科を受診しましょう。
皮膚科では、リンパ浮腫であることを伝えて抗菌作用のあるお薬を処方してもらってくださいね。

重症になると、体に震えがきたり高熱になったりして自力では受診できないかもしれません。迷わず救急車を手配しましょう。
最悪の場合は、敗血症を起こして死に至るケースもあります。たかが皮膚炎、と軽く見ず、症状がで始めたらできるだけ早く受診しましょうね。
そして無理をせず安静にして過ごしましょう。

​実は。。。
この記事を書きながら、思い出してました。
「傷を作らない、虫に刺されない、常に消毒液を持ち歩くように」と、医師から口うるさく言われていたことを。リンパ浮腫を発症してすぐの頃は気をつけてたんです。でも発症して何年も経つと、忘れるというか、だいじょうぶって高をくくるというか。油断した頃に管理人nokiaはサクッとやられちゃいました。幸い軽症で済んだので、抗生剤の服用と数日間の自宅安静で症状は緩和しました。
「初めの頃を思い出しや~~」って神さまからの忠告だったのかもしれませんね。みなさんも油断は禁物ですよ。